サベット・メヘランサベット・メヘラン

人文学部 欧米文化学科

サベット・メヘラン教授

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それは本当に、
「海の向こうの話」ですか?

2015年の国連サミットで、2030年までの達成に向けて、17の目標と169のターゲットからなるSDGs(持続可能な開発目標)が掲げられました。貧困や人権、児童労働など、世界には解決すべき問題が数多くあります。こうした現代社会が抱えるグローバルな問題を、あなたは「日本とは関係ない話」と思い込んではいないでしょうか。私が担当する国際理解のゼミでも、以前、自分の国にある人身売買問題について調査するという課題を出したとき、「人身売買なんて日本には無いですよ!」と答えた学生がいました。これまで自分が生きてきた中で実感してこなかったために、「他の国の話だ」と決めつけてしまっていたのです。しかし実際は、日本にも人身売買問題はありますし、調べることでその実情を知ることもできます。「関係ない」と心を閉じてしまわずに、「そう思い込んでいるだけで、自分自身にも関係する問題かもしれない」と考え、調べてみることが、世界の問題に共感し、行動するための第一歩になると思います。

世界との向き合い方 サベット・メヘラン教授

「自分とは違う」文化にも心を開き、
受け入れていくこと。

世界と向き合うときに大切なのは、他者と自分の違いに対して、先入観や「わかりあえないだろう」という消極的な意識を持たないことです。自分が持つ文化に固執しすぎず、心を開いて一度その「違い」を受け入れてみるべきだと思います。

私はアメリカで育ち、国際結婚をして日本で暮らし始めましたが、最初は戸惑ったり驚いたりした日本の文化や考え方も、今やすっかり身体になじんでいます。現時点であなたの中にしっかりと根付いているように感じられる文化も、あなたが心を開いていれば徐々に変わっていきますし、試しに受け入れてみた「違い」の方が、意外と自分に合うこともあるのです。世界中にあるいろいろな文化の良いところを柔軟に取り入れながら、生まれた国や身に付いた文化に縛られない「地球市民」として、あなただけの個性を築きあげてほしいですね。

世界との向き合い方 サベット・メヘラン教授

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