聖学院大学人文学部欧米文化学科教授。1956年生まれ。アメリカ・カリフォルニア州ナショナル大学経営学修士(MBA)。聖学院大学では英語、英語コミュニケーションの授業と「国際理解」のゼミを担当。日本人女性と結婚し、1989年より日本在住。趣味はスポーツ。特にテニスとバスケットボールはすることも観ることも好き。
専門分野
国際理解
研究テーマ
グローバルマインドの育成に果たす環境の役割
講演可能なテーマ・ジャンル
私たちはなぜ、グローバルな問題や、他の国の人々に対して目を向けるべきなのか
取り組んでいる研究について
詳しく教えてください。
家庭、伝統、マスメディア、教育などといった環境要因が、グローバルマインドの育成にどういった役割を果たすのかについて研究しています。
グローバルマインドとは、英語を流暢に話す能力やいろいろな国を渡り歩く経験ではなく、相手のパーソナリティへの尊敬と理解、そして共感を持って関わろうとする姿勢のことです。これは個人間のコミュニケーションに限った話ではなく、差別、児童労働、地球温暖化、貧困といった現代社会が抱えるグローバルな課題についても同じ姿勢で考えていく必要があります。遠い海の向こうの国とも、日本の経済や自然環境はつながっています。やがて私たちの生活にも影響を及ぼす課題を、他人事だと思ってはいけません。学生たちの中にグローバルマインドを育てていくため、世界の課題と向き合い、行動に移していく大切さを伝えています。
グローバルな問題に対して、どのような活動を行っていますか?
私が担当する国際理解のゼミでは、貧困のない公正な社会を目指す活動として、ヴェリタス祭(大学祭)や上尾ワールドフェアといったイベントで特定非営利活動法人シャプラニールの商品を販売し、フェアトレードの支援を行っています。
ゼミに所属する学生たちは、最初は貧困やフェアトレード、ボランティアに対する理解や明確な目的意識を持てていませんでしたが、実際にフェアトレードに携わる方の話を聞き、発展途上国で暮らす生産者が置かれている実情を学んでからは、活動に対して自主的に、真剣に取り組むようになりました。単なる「海外製品の販売」ではなく、「海の向こうにいる人たちへの支援」であるという意識が芽生えたんですね。
また、フェアトレード商品の購入は、普段の買い物とは異なります。寄付としての意味合いが強いので、値段だけを見れば決して安くはありません。そのため、購入する方にもこの製品を買うお金が何に使われ、どのような意味を持って社会に役立てられるのかを理解してもらわなくてはいけません。まず、フェアトレードの意義を販売する学生たち自身が理解し、販売時にはそれをお客さまにも伝えていく。こうすることで、世界をより良くしていく動きを社会全体に広げることに少しでも貢献していきたいと考えています。
著 書
留学生が見たカルチャーショック日本(共著)
サベット・メヘラン サベット・由里子 知玄舎 (2010年)
2020年の実現を目指しグローバル戦略の一環として策定された「留学生30万人計画」で日本はどう変わるのか。異文化との交流が浮き彫りにした、日本的閉鎖性と日本人のひ弱さについて解説した。世界の中の開かれた日本のために、留学制度の全貌について、体験にもとづいて解説した。
その他
国際人流
大学院時代に知り合った日本女性との国際結婚。アメリカと日本、2つの国での生活を通して認識した文化の違い、子育てについてのインタビューに答えている。
関連するSDGsのゴール
★学校法人聖学院はグローバル・コンパクトに署名・加入し、SDGsを目指した活動を行っています。
RESEARCHERS